「山笠ば見に来んしゃい」。法被に締め込み姿の可愛らしいキューピー人形がお目見えした。博多祇園山笠(7月1~15日)の盛り上げに一役買っている。
山笠が奉納される櫛田神社のおひざ元、福岡市博多区の上川端商店街。そこで山笠用品などを取り扱う松田ネーム刺繡(ししゅう)店(1933年創業)の特製品だ。
櫛田神社の紋章が刺繡で入ったミニサイズの法被に、赤の締め込み姿。足には脚半を着け、頭には手ぬぐいを巻いている。
職人が本物と同じ生地を使い、同じ製法で仕立てている。小サイズは3240円、中サイズは6480円、本物の赤ちゃん向け衣装を着た大サイズは非売品。毎年5月下旬から7月中旬にかけて店頭に並ぶ。
店主の久保純一さん(61)によると、20年ほど前に、赤ちゃん用の山笠用品を店頭にディスプレーするために大きなキューピー人形に衣装を着せたのが始まり。最近ではそのかわいい姿が「SNS映えする」と街ゆく人たちに人気で、商店街に増えた外国人観光客からも注目を集める。
山笠のためにひと肌脱いだ「山のぼせ」(博多弁で山笠好きの意味)のキューピーちゃん。手を広げて「山笠ば見に来んしゃい」と呼びかけているようだ。(山野健太郎)