欧州連合(EU)は20日、首脳会議を開き、今後5年のEUを主導する首脳候補や温暖化対策の新目標などを議論したが、合意できなかった。首脳人事は30日に臨時首脳会議を開き、早期の合意を目指す。
EUは今秋、首脳が相次いで任期を終え、体制が刷新される。そのため、行政トップの欧州委員長、EU首脳会議の常任議長(大統領に相当)、欧州中央銀行(ECB)総裁、外交安全保障上級代表(外相に相当)などの4首脳の後任選びが喫緊の課題になっている。4首脳の人選は、出身の地域や国の規模などを考慮する必要がある。
ネックになっているのは、欧州議会の承認が必要な欧州委員長候補だ。5月の欧州議会選で第1会派になった「欧州人民党」が推す候補への支持が、知名度の低さや経験不足を理由に広がっていない。トゥスク常任議長は20日の会議後、「すべての候補者について、多数の支持はなかった」と話した。
会議では、温室効果ガスの排出量を2050年に実質ゼロにするという目標の設定も議論されたが、ポーランドなどの反対で合意できなかった。(ブリュッセル=津阪直樹)