英国のメイ首相の後任を決める与党・保守党の党首選で、20日午後(日本時間21日未明)、最後となる5回目の予備投票があった。党所属の下院議員313人が参加し、最多の160票を獲得したジョンソン前外相と、次点の77票だったハント外相が、決選投票に進むことになった。
5回目の予備投票は3人で争われ、75票で最下位となったゴーブ環境相は脱落した。
決選投票では、欧州連合(EU)からの離脱をどう実行するかが問われそうだ。ジョンソン氏はEUとの合意の有無にかかわらず10月末の離脱をめざす強硬派。ハント氏は経済が混乱しかねない「合意なき離脱」には慎重で、合意が見込めるなら離脱延期も容認する立場だ。党員の間では政治の混乱への憤りから早期決着を望む声が強く、世論調査ではジョンソン氏が大きくリードしている。
ジョンソン氏とハント氏は7月半ばまで、各地で開く党主催の演説会で主張を戦わせる。決選投票は約16万人の党員による郵送で行われ、7月下旬に新党首兼首相が決まる見通しだ。(ロンドン=下司佳代子)