マレーシアのマハティール首相は20日、2014年のマレーシア航空機撃墜事件をめぐってオランダ検察当局が発表した捜査結果について、「受け入れがたい」と異を唱えた。オランダ検察はロシア当局が事件に関与していたと結論づけていた。
マハティール氏は同日の記者会見で「捜査チームは最初からロシアがやったと決めつけていたが、十分な証拠はない」と主張。ロシアを擁護しながら捜査を批判した。
298人が死亡したこの事件はウクライナ政府軍と、親ロシア派武装勢力が激しい戦闘を続けているさなかに発生。ウクライナや米国などが親ロシア派の犯行と批判する一方、ロシア側は一貫して関与を否定していた。
マレーシアやウクライナの当局と合同チームを作り捜査を進めていたオランダ検察は19日、ロシアの情報機関や軍に所属していたロシア人の男ら計4人を殺人罪などで起訴すると発表。このうちロシア人容疑者2人について「(事件)当時、ロシア当局と連絡を取っていた」との見方を示した。(シンガポール=守真弓)