JR九州が6月下旬に福岡市で開いた定時株主総会は、米投資ファンドが求めた自社株買いなどの株主提案をひとまず退けた。上場から3年目。難路はなお続く。
「株主提案の受領に至った事実を重く受け止め、引き続き投資家の皆様には真摯(しんし)に向き合っていく」。2時間20分ほどの総会を終えたJR九州の青柳俊彦社長は報道陣にそう語った。
提案した株主は、3月時点で発行済み株式の6・1%を持つ米ファーツリー・パートナーズ。最大720億円をかけて発行済み株式の10%分を自社株買いすることや、不動産や財務に詳しい社外取締役3人を選ぶことなど6項目を求めた。
しかし、JR九州は、自社株買いよりも各地の駅周辺の開発などを優先させたい。不動産や財務の経験がある別の人物を社外取締役の候補に据えるなど、ファンドのかねての主張に一定の配慮を見せた。それでも提案は取り下げられず、逆風はさらに吹いた。
株主提案への賛意を約1%を持…