福岡市中心部の旧大名小学校跡地の再開発事業の建設工事が8日、始まった。福岡市が進めるビル建て替え促進構想の中核のひとつで、地上25階建て高層ビルなどが2022年12月に完成する。事業を担う積水ハウスの仲井嘉浩社長は「グローバル企業を誘致し、ベンチャー企業との交流の場にしたい」と意気込んだ。
旧大名小跡地は、天神地区の西側にあり、積水ハウスや西日本鉄道などの企業グループが福岡市から敷地を借り受けてビルを建て、ホテルやオフィス、保育園、公民館などを設ける。総事業費は約500億円。オフィス棟は12フロアで計3万平方メートルあり、約3千人の就業を見込む。
ベンチャー企業の創業を支援するため、事務所として共同利用できるスペースや、製品発表会などができるイベントホールも設ける。オフィス棟に入居する大手企業とも連携しやすくする。
ビルの上層階には23年3月に高級ホテル「ザ・リッツ・カールトン」が開業を予定する。運営する米大手マリオット・インターナショナルのアジア太平洋地区担当社長のクレイグ・スミス氏は8日に会見し、「日本の観光需要はアジア太平洋で最も成長している。IT(情報通信)分野で福岡を訪れる人も増える。高級ホテルを建てるには理想的だ」と述べた。(北川慧一)