米財務省は9日、イランが支援するレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラへの資金面の支援などに関わったとして、レバノンの国会議員2人を含む同組織幹部3人を経済制裁の対象に指定したと発表した。トランプ政権が対立を強めるイランと同国が支援する組織への圧力策の一環。米国がレバノンの現職議員に制裁を科すのは初めてという。
ポンペオ米国務長官は声明で「レバノンでのヒズボラの悪影響に対抗するため」と説明し、「イランとその代理勢力に対する米国の最大限の圧力策は、ヒズボラへの経済支援を制限することに成功してきた」とした。
ヒズボラはレバノンを拠点にし、イランが武器の支援をしているとされる。シリア内戦にも派遣され、イスラエルとも敵対関係にある。米政府はヒズボラをテロ組織に認定している。
一方、米政権高官は9日、イランが核合意の制限を超えるウラン濃縮に踏み切ったことへの対抗措置について、ザリフ外相らへの追加制裁を検討していることも明らかにした。(ワシントン=渡辺丘)