2020年米大統領選に向けた野党・民主党の候補者指名をめぐり、1日に発表されたCNNなどの世論調査で、カマラ・ハリス(54)、エリザベス・ウォーレン(70)の2人の女性上院議員が支持を大きく伸ばした。テレビ討論会の影響とみられ、トップのジョー・バイデン前副大統領(76)が支持を減らし、混戦となる可能性がある。
世論調査は6月28~30日、CNNと調査会社が、民主党候補者20人を集めた初のテレビ討論会後に実施。ランダムで選んだ1613人(うち民主党支持層656人)に電話で尋ねた。
誰を民主党の大統領候補として支持するかを民主党支持者に尋ねたところ、トップは22%を集めたバイデン氏だったが、前回5月より10ポイント下落。2位のハリス氏は9ポイント上昇し17%、ウォーレン氏も8ポイント増の15%で、いずれも2位だったバーニー・サンダース上院議員(77)(4ポイント減の14%)を抜いた。
この結果は、テレビ討論会の影響が大きいとみられる。ハリス氏がバイデン氏の人種問題に関する過去の政治態度をただし、バイデン氏が釈明に追われた。討論会を見たり、報道で知ったりしているという民主党支持層の41%が「最もよくやった」候補としてハリス氏を選んでいる。
一方、トランプ大統領に勝てる候補を選ぶ質問では、43%がバイデン氏を挙げ、次点のサンダース氏を30ポイント引き離している。民主党支持層の6割が「政策が自分に近い」候補より「勝てる候補」が大切だと答えている。バイデン氏は依然、黒人層や高齢層、民主党穏健保守層から候補者中トップの30%以上の支持を集めている。(ワシントン=香取啓介)