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ジンバブエ代表率いる異色の監督 夢は五輪と甲子園

13日の岡山大会開幕試合で、岡山学芸館に逆転サヨナラで敗れたおかやま山陽の堤尚彦監督(47)は、アフリカ南部・ジンバブエの代表監督を兼務する異色の指導者だ。来年の東京五輪出場を目指し、5月に南アフリカであった予選に挑んだが敗退。春夏3度目の甲子園という、もう一つの大きな夢に向かったが、かなわなかった。


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堤さんは大学卒業後の1995年、青年海外協力隊員としてジンバブエに渡り、野球の普及に取り組んだ。テレビ番組で見た協力隊の活動に心を打たれたのがきっかけ。現地はサッカー熱が高いが、小学校を回って指導先を探した。次第に、手作りグラブを手に裸足でグラウンドを駆け回る子供が増え、2年間で2千人以上に野球を教えた。


その後、2006年におかやま山陽の監督に就任。17年夏と18年春の2回、同校を甲子園に導いた。


協力隊時代の縁で、ジンバブエ代表監督に白羽の矢が立ったのは15年のこと。日本高校野球連盟から正式な承認を得て、昨年12月には選手選考と代表合宿のため、約20年ぶりにジンバブエに飛んだ。教え子との再会や、野球人口のめざましい増加に胸を熱くした。


今年3月、ジンバブエ代表の3人が来日。「日本のレベルを体感させよう」と、おかやま山陽のグラウンドで練習に参加させた。基本的な動きを中心に、堤さんが英語で伝える。一緒に練習した投手の林勇作君(3年)は「少しでもうまくなろうとする必死さは、見習わないといけないと思った」と振り返った。


アフリカ予選は4カ国総当たりのリーグ戦の後、決勝トーナメントでアフリカ代表の1枠を決める。代表国は欧州代表と五輪をかけ戦う。ジンバブエはリーグ戦は1勝2敗で3位。決勝トーナメントでウガンダに5―21で負け、東京五輪出場を逃した。


「結果は残念だが、野球発展の手助けが出来てよかった」と堤さん。代表監督を続けるかは未定だが、おかやま山陽の部員らが使った野球道具を発展途上国に送る活動は今後も続けていく。(華野優気)


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