世界保健機関(WHO)がウェブサイトに掲載した情報によると、3月26日現在、世界で少なくとも52種以上の候補ワクチンが臨床前の研究段階に入っている。これらの開発中の新型コロナウイルスワクチンには、どのような種類が含まれるのだろうか。
香港大学微生物学科教授で、HIV研究所所長を務める陳志偉氏はこのほど取材に対し、開発の先端にある様々な候補ワクチンは主に次の2種類に分かれるという。
(1)承認済みの同類ワクチンがない新型ワクチン。主に核酸ワクチンで、RNA(リボ核酸)ワクチンとDNA(デオキシリボ核酸)ワクチンに分かれる。これらのワクチンは抗原タンパク質コーディングのRNAまたはDNAの断片を直接人体の細胞内に取り込む。
(2)これまで広く応用されてきた従来型のワクチン。不活化ワクチン、サブユニットワクチン、組換えウイルスベクターワクチンなどが含まれ、開発中の新型コロナウイルスワクチンの多くがこれに属する。中国のチームが開発した「組換え新型コロナウイルスワクチン」は組換えウイルスベクターワクチンで、アデノウイルス5型をベクターとし体内に新型コロナウイルス発現スパイク状タンパク質の遺伝子を送り込む。
中国国務院共同感染対策メカニズムの記者会見で発表された情報によると、中国は感染症発生後に5つのテクノロジー・ロードマップにより新型コロナウイルスワクチンの開発推進を加速した。これは不活化ワクチン、サブユニットワクチン、アデノウイルスベクターワクチン、弱毒インフルエンザウイルスベクターワクチン、核酸ワクチンに分かれる。中国の5つのテクノロジー・ロードマップが、世界で開発中の新型コロナウイルスワクチンの主な種類を網羅していることが分かる。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年4月9日