緑化は楡林の人々の千年にわたる夢だった。三北防護林や天然林保護、耕地を森林に戻す「退耕還林」措置など国家重点プログラムが相次いでスタートし、ますます多くの人がこの地に目を向け、足を向けるようになった。「全国砂漠化対策英雄」である牛玉琴さんは30年以上かけて約7333ヘクタールの土地の砂漠化対策に取り組み、補浪河女性兵士治沙連は14人の歴代連長のもとで、累計800ヶ所以上の砂丘を平らにし、防風砂防林ベルトを35本作り上げた。石光銀さんは全国初の農民株式制の砂漠化対策会社を立ち上げ、一生の事業として砂漠化対策に取り組んでいる。この土地に生きる人々は砂漠に木を植え、「勇気をもって世界を変えていく」という英雄的な気概をもって、感動的な砂漠化対策の壮挙を成し遂げてきた。
70年来、楡林地区では年1.62%というスピードで砂漠を緑地に戻し、ムウス砂漠の面積を絶えず縮小してきた。植えられた樹木を1メートル間隔で並べると、地球の赤道54周分になる。森林率は新中国成立当初の0.9%から34.8%まで向上し、陝西省の緑化面積は北へと400キロ余り広がった。
豊かな自然が戻ってくると、経済効果も現れるようになった。近年、楡林地区ではビニールハウス栽培や育苗、砂漠観光などが盛んになり、全市で砂漠関連産業に従事する企業・事業機関は150社以上となり、年間の生産額は4億8000万元(1元は約15.2円)、従事者数は10万人以上となった。
陝西省林業局の党双忍局長は、「自然地形としては、ムウス砂漠は本当に消失したわけではなく、流動砂丘が全て固定されたにすぎない。こうした対策成果は人工的な介入によるものであり、今後もさらに砂漠の生態をプラスの方向に遷移させ、自己循環発展を実現し、根本から砂漠の生態環境を変える必要がある」と語った。(編集AK)
「人民網日本語版」2020年4月24日