今年の政府活動報告は、有効な投資を拡大し、消費を促進して国民生活に恩恵を及ぼし、構造を調整して後続の力を増大させることを目指した。5Gの応用拡大などが含まれる「両新一重」(新型インフラ、新型都市化、重大プロジェクト)の建設を重点的に支援するとしている。2019年6月6日、工業・情報化部(省)は5G営業許可証を発行し、これにより中国の5G商用化の幕が開いた。5Gの商用化から1年近くになる現在、どのような新たな進展があっただろうか。中新経緯が伝えた。
5Gメッセージが第3四半期から商用化スタート
今年4月8日、中国3大通信キャリアが「5Gメッセージ白書」を共同で発表し、5Gメッセージの生態圏建設構想を打ち出した。従来のショートメッセージが文書中心だったのと異なり、5Gメッセージでは文書、画像、音声、動画、位置情報などが融合したメッセージを発信できる。企業も5Gメッセージを利用してサービスを提供できるようになる。たとえばユーザーが中国鉄道旅客サービスサイト12306のダイアログボックスの中に、チケットの予約、決済、予約変更などの操作が行え、別のページやアプリに移動する必要はない。
世界最大の携帯通信事業者の業界団体「GSMA」(GSM協会)は、5Gメッセージを5G端末の標準機能に組み込む計画だ。ユーザーが5G端末に買い換えた場合や4Gから5Gにアップデートすれば、すぐに5Gメッセージサービスを利用できる。業界関係者は、「これから5Gメッセージが全面的に普及拡大すれば、既存の大量の携帯電話のアプリケーションに取って代わることになるだろう」との見方を示した。
全国政治協商会議委員を務める中国聯通(チャイナユニコム)製品センターの張雲勇ゼネラルマネージャーは、「5Gメッセージとは、すなわちRCS(リッチコミュニケーションサービス)のメッセージのことで、プロバイダーのショートメッセージ業務に対しイノベーションによる体験の高度化を行ったものだ。現在はテスト段階にあり、第3四半期(7-9月)に商用化がスタートする見込み」と述べた。
毎週5G基地局1万ヶ所以上が増加
5Gの商用化はインフラ建設と切り離せず、特に5G基地局の建設と切り離すわけにいかない。
5月25日、同部の苗■(土へんに于)部長は第13期全国人民代表大会(全人代)第3回会議の2回目の「部長通路」で、「今年に入ってから、中国の5G建設が加速し、現在の中国では毎週5G基地局が1万ヶ所以上増加している。4月には中国の5Gユーザーは700万人以上増加し、累計で3600万人を超えた」と述べた。
苗部長の説明によると、新型コロナウイルス感染症のため、今年の1月と2月には、さらに3月にも中国の5G建設が影響を受けたとみられるが、各企業は取り組みを強化するよう努力を続け、予定の時間に間に合わせようと頑張っているという。