13日に行われた国務院の政策定例ブリーフィングで、水利部(省)の葉建春副部長は、「6月以来、計433本の河川で警戒水位超えの洪水が発生し、うち109本は保証水位を超え、33本が観測史上最高水位となっている。現在長江と太湖流域の情勢は依然として厳しい。今後は降水量の多い地域が北上するとみられ、淮河など北方地域の河川で地域性の比較的大きな洪水が発生する可能性がある」と説明した。人民日報が伝えた。
総降水量、警戒水位超え河川数、山津波・土砂災害、洪水被災省がともに増加
国家減災委員会秘書長で応急管理部副部長の鄭国光氏は、「6月以来、長江流域の平均降雨量は1961年以来最高となっている。西南などの地域では何度も山津波や土砂災害が発生しており、一部地域の中小規模ダムや中小河川堤防で危険な状況が発生している。現時点で、すでに累計で延べ224万6千人が緊急避難した。27省(自治区・直轄市)で延べ3873万人が被災し、死者・行方不明者は141人、倒壊家屋は2万9千棟となっている」と述べた。
出水期に入った後、国家水害・干ばつ対策総指揮部と国家減災委員会は14回にわたって緊急対応策を取り、計25の作業グループを派遣し、財政部と協議のうえ計11億5500万元(1元は約15.3円)の中央災害援助資金を拠出した。
水利部は相前後して5回にわたって緊急対応策を発動し、20以上の作業グループと専門家グループを第一線に派遣して指導にあたらせた。ダムに対する科学的かつ細やかな調節を2297ヶ所(回)行い、計647億立方メートルを洪水調節し、723万人が避難する事態を回避した。そのうち7月に入ってからは、三峡ダムで計29億立方メートルの洪水調節を実施した。また、気象局と共に警報を62回発令し、警報ショートメールを累計1505万本発信し、警報放送を10万5千回以上行った。
国家総合性消防救援隊は延べ4万7千人の隊員を出動させ、被災者7万6千人の救助や避難誘導にあたった。
重大水利プロジェクト150件で約90億立方メートルのダム貯水量増が可能
2020-2022年には、中国は150件の重大水利プロジェクト建設を重点的に推進することを計画している。主に洪水防止・減災、水資源の最適化配置、灌漑節水・給水、水生態保護・修復、スマート水利の五大カテゴリーが含まれ、総投資額は1兆2900億元。推算によると、これらのプロジェクトの実施後は、洪水防止のためのダム貯水量が約90億立方メートル増え、治水河川の長さは約2950キロメートルとなり、新たに灌漑面積が約186万6667ヘクタール増え、年間給水能力が約420億立方米メートル増えるとみられている。(編集AK)
「人民網日本語版」2020年7月14日