20世紀始めに福建省福州市の東の郊外にある西園村で発祥したコルク彫刻は既に100年以上の歴史を誇る。コルク彫刻は、山や川、庭園、花、鳥、亭台楼閣、樹木などをテーマにして、立体彫刻、浮かし彫り、透かし彫りなどの技術が用いられている。中国新聞網が報じた。
コルク彫刻の美しさの秘密について職人の胡麗娟さんは、「コルク彫刻は、木目があり、非常に立体的だ。現代建築はどれもライン的で、情緒に欠ける」と話す。
現在、福州市にはコルク彫刻の職人はわずか20人ほどしかおらず、年齢も60‐70歳と高齢になっている。職人のほとんどは、コルク彫刻一筋の人生を送り、建築物や動物、植物、人物、器物など、それぞれに得意分野があるため、通常2‐3人が手分けして1つの作品を作りあげる。コルク彫刻歴50年以上という呉瑞珍さんは、コルク彫刻で「木」の制作を得意としており、主に花、草、樹木の作品を制作している。その巧みな技術で彫り上げられたいろんな形状の花、草、樹木が、神秘的なコルク彫刻の世界を作り出している。陳雪榕さん(72)が得意とするのは各種小さな木やその枝だ。建築物の制作が得意な蔡文実さんは、コルク彫刻の業界では、「最も若手」の職人で今年62歳になる。
また、「万能」の職人もたくさんいる。陳孔国さん(70)は、国家級高級技師に認定されており、福州市のコルク彫刻の三代目職人だ。陳さんは以前、中国の工芸美術界の巨匠・呉学宝氏の下で学んだ経験があり、この世界で半世紀以上活躍してきた。そして、「ユーティリティープレイヤー」で、特に、背景の製作を得意としている。そんな陳さんは、「手が震えない限り、ずっと続けたい。手が震えたら、彫刻刀を置くとき」と話す。
(編集KN)
「人民網日本語版」2020年8月31日