中国銀聯は商業銀行、主要携帯電話メーカー、重点協力企業、決済機関などと共同で、先月31日にデジタル銀行カード「銀聯無界カード」を打ち出した。全プロセスに及ぶデジタル化されたカード申請、迅速なカード受け取りを実現するとともに、カード保有者に次世代の決済体験を提供するものだという。中国放送網が伝えた。
オンラインで申請・紐付け・利用が可能なカード
銀聯無界カードはデジタル決済時代のユーザーのニーズに基づいて発行されたデジタル銀行カードで、デビットカード一体型とクレジットカード一体型の2種類がある。保有者は「雲閃付アプリ」などのプラットフォームを利用して、デジタル金融サービスを受けることができる。
従来の銀行のキャッシュカードにデジタル化した形態を付与し、デジタル化サービスを通じて、利用者の消費、現金の預け入れ・引き出し、振り替え、携帯電話での決済、QRコード決済など多様化した決済ニーズに応える。
カードの発行や利用は高効率でスムーズになり、中国内外の利用者は雲閃付アプリ、商業銀行のアプリ、携帯電話のデジタルウォレットなど複数のルートを通じて迅速なカードの申請・紐付け・利用が可能であると同時に、「カードとコードの一体化」が実現し、携帯電話で1回ボタンを押せば無界閃付カードと無界カードのバーコードが取得でき、どちらを使って決済するか選ぶことができる。
決済のセキュリティを確保するため、トークン決済、トンネリング、リアルタイムリスク対策など全方位的な技術的手段を通じて、カード番号や有効期間などの情報を全行程にわたって保護し、利用者の資金と情報のセキュリティを保障する。
カードを申請する際、利用者は雲閃付アプリ、商業銀行アプリ、携帯のデジタルウォレットなど複数のプラットフォームでオンラインによる申請が可能だ。カードが発行されれば、資産運用、消費、決済など金融の各種機能に全面的に対応し、1回ボタンを押すだけ京東や度小満などの商業用アプリとの紐付けが可能で、さまざまな場面での消費ニーズに対応できる。利用者は雲閃付アプリを通じて銀聯無界カードの取引状況をリアルタイムでチェックしたり管理したりすることもできる。
銀行カードはデジタル化の新段階へ
このたび銀聯無界カードが中国内外で同時に発行されることになり、国内の全国的商業銀行17行、一部の地方銀行、江蘇銀行や微衆銀行などのネット銀行がテスト事業の第一弾に加わった。
同日より、カード保有者は雲閃付アプリの銀聯無界カード専用ページと商業銀行アプリを通じてカードの利用を申請できるようになり、雲閃付アプリを通じて申請すれば50元のデジタルクーポン券がすぐ受け取ることができ、全国各地のウォルマート、カルフール、ファミリーマートなどのスーパーやコンビニで現金代わりに利用できる。また銀聯無界カードは利用者に世界で使える専用カードの権利を提供する。
そもそもデジタル銀行カードとは何だろうか。クレジットカードを研究する董崢氏は、「デジタル銀行カードは実体カードのような物理的な形態がなく、バーチャル銀行カードの発行システムを採用し、利用者がオンラインで申請から受け取り、開通、利用までできるものだ」と説明した。
また中国人民銀行(中央銀行)決済決算司の樊爽文一級巡視員は、「銀聯無界カードはカード発行モデル、管理モデル、セキュリティ応用全プロセスのデジタル化を実現し、銀行カード産業がデジタル化という新たな段階に進む中での重要な一歩だ」との見方を示した。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年9月1日