東京理科大などの研究グループは26日、青色発光ダイオード(LED)などに使われる窒化ガリウムの光触媒機能を使って、水から水素を発生させることに成功した、と発表した。今後、クリーンな水素燃料の製造につながる技術として期待されるという。
光触媒は、光のエネルギーを受けて、他の物質に化学変化を促すもの。
東京理科大の大川和宏助教授らは、窒化ガリウムが光を吸収して電気エネルギーを生み出す性質に着目。窒化ガリウムと白金を電極にして水槽に入れ、窒化ガリウムに光を当てることで水素を発生させた。
実験では、照射する光エネルギーに対し、水素エネルギーが発生する「変換効率」は0・5%だった。光触媒として既に実用化されている酸化チタンの約2%を下回る。今後は、光触媒反応に有効な光の波長の幅をコントロールするなどして、3年以内に変換効率20%を目指すという。
研究の総括責任者で、青色LEDを発明した中村修二・米カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授は「水素燃料というクリーンエネルギーを作り出す有望な方法になる」と話している。【大場あい】