サッカー日本代表は16日、東京・国立競技場で行われるキリンチャレンジカップ2005でアンゴラ代表と対戦する。ジーコ監督は15日、記者会見して「今年最後の試合で重要な試合。今いる選手で持っている力を出し切りたい」と話した。
来年のワールドカップ(W杯)ドイツ大会出場権を獲得後、世界の強豪と戦った3試合はいずれも4バックを採用したが、今回は国内組が中心だったアジア最終予選で使った3バックの布陣。海外組を交えての3バックはコンフェデレーションズカップのメキシコ戦(6月16日、ドイツ)以来となる。ジーコ監督は小笠原(鹿島)ら4選手が負傷で離脱したことを挙げたうえで「今いる選手で自分たちの力を出せるフォーメーションにした。試合の流れで3バックから4バックへの変更もある」と説明した。
相手のアンゴラはW杯初出場とはいえ、身体能力が高く侮れない相手。自由に動かれては失点の危険は高まるだけに、今回のテーマを守りと挙げたジーコ監督は「しっかりとした守りから、できるだけ相手ゴールに近い位置でボールを奪う。やりたいことはフォーメーションが変わっても変わらない」と説明した。
日本代表は同日、試合会場の東京・国立競技場で公式練習。セットプレーの守りを確認した後、恒例のミニゲームで締めた。【小坂大】
○…守備的MFで先発が濃厚の中田英が大黒、高原らFW陣とともに念入りにシュート練習を行った。練習後の会見では「シュート練習? 今回が初めてではないし」。淡々とした口調で軽く質問をあしらったが、代表の得点力不足をしつように問われると、「1本打って決まらないなら、100本打つしかないじゃないですか」といら立ち気味だった。
○…寒風が吹く国立競技場で高原は汗びっしょり。相手セットプレーからのカウンター攻撃の確認では、中村らが送り出すロングパスを追って何度も駆け上がり、力強くシュートを放った。「東欧遠征で出た課題を修正したい。勝つことは絶対条件」と位置づける今年最後の代表戦。「チームが前に進んでいることを、皆さんに見せたい」と意気込んだ。
○…アンゴラ代表の練習で目を引きつけたのがミドルシュートの威力。「ドスン」という音とともに放たれたボールは、一直線に次々とゴールに突き刺さった。「我々の特色? 一言で言えば攻撃的。体格を見ていただいても分かるとおり、強いプレーができる」とゴンサルベス監督。W杯初出場とは言え、強豪ナイジェリアを降した実力は侮れない。