埼玉県で４１歳の男性を練炭自殺したとみせかけて殺害したとして、３５歳の女が逮捕された事件で、女が「練炭は男性が自分で車に乗せた」などと話していたことがわかりました。しかし、男性の手には練炭に触れた形跡はなく、警察は殺人容疑の裏付けを進めています。

　木嶋佳苗容疑者は去年８月、埼玉県富士見市の駐車場に停めたレンタカーの中で、会社員の大出嘉之さん（４１）を練炭自殺に見せかけて殺害したとして、１日逮捕されました。

　木嶋容疑者は、大出さんの死への関与を否定し、「車内の練炭は大出さんが自分で車に乗せた」などと話していることが、捜査関係者への取材で新たにわかりました。

　しかし、これまでの警察の調べで、大出さんの手には練炭に触れた形跡がなく、車内から練炭に火をつけるライターやマッチも見つかっていないということで、警察はさらに容疑の裏付けを進めています。

　また、木嶋容疑者は大出さんが死亡する直前の７月下旬、専門学校の学費名目で大出さんから４７０万円をだまし取ったとして、１日、さいたま地検に詐欺の罪で起訴されていますが、木嶋容疑者が「駅に現金を持ってきて欲しい」という趣旨のメールを送信していたことも新たに分かりました。

　木嶋容疑者は東京のＪＲ神田駅で待ち合わせ、その後、駅の構内で現金を受け取ったということです。

　木嶋容疑者の周辺では、大出さんを含む男性４人が不審な死を遂げていて、警察は他の男性のケースについても、木嶋容疑者の関与を慎重に調べる方針です。（02日15:33）