長崎県佐世保市の高1同級生殺害事件で、児童相談所の対応を検証していた県は4日までに、児相幹部による部下への日常的なパワハラが、家裁送致された少女(16)に関する通報の放置に「間接的な影響があった可能性は否定できない」とする報告書をまとめた。5日の県議会で公表する。
県は昨年10月に公表した報告書では「影響したとは考えられない」としていたが、翌11月に有識者検討委員会が「パワハラの影響があった可能性が高い」とする見解で一致。見解を見直す必要に迫られていた。
佐世保市にある児相は事件前の昨年6月10日、少女を診察していた精神科医から通報を受けたが放置。この児相では普段から特定の幹部が他の機関からの通報や相談を安易に受けないよう部下を叱責していた。
報告書は、他機関から通報があった場合、通常は職員が緊急受理会議を開くが「開催の申し出を職員が自由にできる雰囲気になっていなかった」と分析。組織改善に向け「誰もが遠慮なく意見を言えるような風土醸成が必要」と指摘した。〔共同〕