5日午前の東京外国為替市場で、円相場は反発した。12時時点は1ドル=117円15~17銭近辺と前日17時時点に比べ38銭の円高・ドル安水準で推移している。欧州中央銀行(ECB)がギリシャ国債を担保とする欧州連合(EU)内銀行への資金供給を停止すると発表したことで、ギリシャ債務問題の再燃に対する警戒が拡大。投資家がリスク回避姿勢を強め、「安全通貨」とされる日本円を買ってドルを売る動きが優勢となった。前日のニューヨーク市場では米長期金利が低下し、日米の金利差縮小も意識され、円を買う動きにつながった。
リスク回避の動きは原油価格の急落も背景にある。前週半ばから上昇していた原油先物価格が前日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)では大幅に反落。ギリシャ問題と原油安を受けて米株式相場が伸び悩み、日本で株安が進んだことも円買い・ドル売りを誘った。日経平均株価が下げ幅を広げた11時過ぎには一時、117円02銭近辺まで円が上昇した。
9~12時の円の安値は117円35銭近辺。値幅は33銭程度だった。リスク回避による円買いは強かったが、ドルも流動性の高さなどから主要通貨に対して買われているため、円の対ドル相場での上昇幅は限られた。
円は対ユーロでも反発した。12時時点は1ユーロ=132円98銭~133円00銭近辺と同1円78銭の円高・ユーロ安水準で推移している。ECBの決定を受け、朝方を中心にユーロ売りが進んだ。
ユーロは対ドルで反落した。12時時点は1ユーロ=1.1349~52ドル近辺と同0.0117ドルのユーロ安・ドル高水準で推移している。〔日経QUICKニュース(NQN)〕