【シリコンバレー=兼松雄一郎】電気自動車(EV)メーカーのテスラモーターズが11日発表した2014年10~12月期決算は、売上高が前年同期比55%増の9億5666万ドル(約1150億円)となった。今年投入する新モデルを含め予約に生産が追いつかない状態が続いている。先行投資がかさみ、最終損益は1億762万ドルの赤字(前年同期は1626万ドルの赤字)だった。
出荷台数は過去最高を更新し、前の期比で約26%増の9834台となった。ただ、新モデルの投入による生産の遅れなどで1400台分が期ずれしたという。これを受け、同日の時間外取引でテスラ株は売られ、終値比で3%以上下げた。
秋までに出荷開始予定の新型多目的スポーツ車(SUV)「モデルX」の予約が2万台、現行のセダン「モデルS」の受注が1万台以上積み上がっている。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)はモデルXの開発状況に「大きな問題はない」とし、今年中の発売に自信をみせた。生産さえ順調にいけば大幅な増収が期待される。
2車種を同時生産するのに備えて車体や塗装などの生産設備の増強を急いでいる。蓄電池工場の建設、急速充電設備網の急拡大も含め先行投資がかさむ構造は数年は続く見通し。