岸田文雄外相は12日の外交演説で、中東の過激派「イスラム国」を名乗る組織の日本人殺害事件を踏まえ「国内外の日本人の安全確保に万全を期す」と訴えた。戦後70年の節目を迎え「平和国家としての歩みは今後も変わらない」と強調。積極的平和主義の立場から軍縮・不拡散や環境など「グローバルな課題」に貢献する姿勢も打ち出した。
外交の基軸である日米同盟の強化を掲げた。中国とは「『戦略的互恵関係』の原点に立ち戻り、大局的な観点から日中関係を発展させる」と表明した。韓国とは「国交正常化50周年にふさわしい、未来志向で重層的な関係を双方の努力で構築したい」と述べた。
ロシアにウクライナ情勢の平和的解決に向け、建設的役割を果たすよう働きかける意向も示した。北朝鮮による日本人拉致被害者らの再調査が「すべての被害者の帰国につながるよう全力を尽くす」と訴えた。