ベルギーとの試合後、渋谷駅に向かって交差点を渡る人たち=2018年7月3日午前5時28分、東京都渋谷区、竹花徹朗撮影
サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会で、日本代表は決勝トーナメント1回戦でベルギーに2―3で惜しくも敗れた。国内各地で3日未明、試合を見つめていたファンからため息が漏れ、健闘をたたえる声も上がった。
日本、ベスト8ならず ベルギー戦、終了間際に逆転負け
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日本は後半、2点をリードしたものの、ベルギーに終了間際に3点目を奪われ、史上初のベスト8入りを逃した。試合が終了すると、東京・渋谷のスクランブル交差点では、「まじかー」「あー、うそやー」とあちこちから、ため息が漏れた。
恒例の「ニッポン」コールもわき起こらず、警戒中の警察官の「まっすぐ横断してください」というアナウンスが周囲に響くなか、人々は重い足取りで駅へと向かっていった。
交差点の脇にぼうぜんと立ちすくんでいた東京都世田谷区の大学生、雨宮諒也さん(20)は「やられたって感じ。緊張感が緩んじゃったのかな」とぽつり。午前9時から大学で中国語の授業があるといい、「こういう時こそ、しっかり授業に出ます。試合は落としても、単位は落としません」
東京都港区の東京タワー脇のパブリックビューイング(PV)会場「スターライズタワー」では試合後もほとんどの観客が席を立たず、選手や監督のインタビューに耳を傾けながら拍手を送った。
髪を青く染めて応援していたさいたま市の滝沢彩音さん(24)は「こんなにも熱くさせてくれて、最後の最後まで期待させてくれた日本代表にありがとうと言いたい」と目を潤ませた。
一方、東京都千代田区のベルギー大使館では、赤いユニホームを着たベルギーサポーターら約100人が試合を見守った。
終了間際にベルギーの決勝点となる3点目が決まると、跳び上がって喜びを爆発させた。そのまま試合が終了し、両手を突き上げたり、タオルを振り回したりしながら「ベルギー、ベルギー」と歓声をあげた。ベルギー国籍のエンジニア、ピカローサ・フランソワさん(32)は「ベルギーが勝ってうれしい。刺激的でとてもいい試合だった。シャワーを浴びて着替えたら職場に向かいます」と笑顔で話した。(吉沢英将、河崎優子、山田暢史)