営業のエース、暴かれた裏金 「会社黙認」主張通らず——贯通日本资讯频道
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営業のエース、暴かれた裏金 「会社黙認」主張通らず

裁判記録をとじた厚いファイルを開き、埋もれた事案に目を向けてみれば、当事者たちの人生や複雑な現代社会の断片が浮かび上がってくる。裁判担当記者の心のアンテナに触れた無名の物語を伝える。


社内の誰もが営業のエースと認めていた男性社員が、ひそかに作っていた裏金。税務署の調査で発覚し、重加算税を課された運送会社が社員に賠償を求めて提訴した。男性社員は必死で反論した。「接待費に充てていたことは会社も黙認していたはず。すべては会社を愛していたからこそです」……。果たしてその主張は通るのか。



 


「非常に信頼するに足る優秀な営業マンだった」。会社側の証人として裁判に出廷した社長は、男性社員への高い評価を口にした。裁判当時、50歳代後半だった男性社員は、社長が会社に加わる前から営業のエースだった。大手の運送会社に対して圧倒的に弱い立場にもかかわらず、大口の物流会社などを顧客として抱えていた。


■「接待交際費」、ほとんど請求なかったが…


社長にとって特に印象深かったのが、接待交際費の請求をほとんどしなかったことだ。営業社員が数人の会社で、1人に許された接待交際費は年間10万~40万円。それすらほとんど請求してこなかった。「接待に頼らず自分の実力で荷物を確保してくる非常に優秀な営業と理解していた」。社長のその理解は税務調査であっさり裏切られた。


税務署が暴いた男性社員の裏金の作り方はこうだ。例えば正規の運賃が100万円だった場合、勝手に10万円を上乗せして110万円を顧客に提示し、支払わせる。その後、もらいすぎた10万円を払い戻す名目で社内で伝票を切るが、その10万円の振込先は顧客ではなく仲間の会社にしていた。仲間の会社は口座使用料として3万円を取り、残る7万円は自分が管理するダミー団体名義の預金口座に振り込ませた後、自分の個人口座に移していた。


裏金は約10年間で約1億1400万円に上り、そのうち約8000万円が男性社員の手元に入っていた。


調査結果を突きつけられ、男性社員はすべてを認めた。業務上横領で刑事責任を問われる可能性もあり、会社に対して「すべてお話しするので告訴しないでください」と懇願。社長にメールで送った謝罪文書で裏金作りの手法を説明し、使途については「接待費に充てたほか、一部をプライベートマネーとして使い、それを励みとして新規顧客の開拓に役立てていました」と“自白”した。


他の営業社員にも携帯メールでわびた。「皆を裏切ることになり弁解の余地もありません。本当にごめんなさい。私は首になりますから」。実際、その約2カ月後に懲戒解雇となり、さらに裏金のために会社が支払わされた重加算税約4300万円の賠償を求めて訴えられた。


男性社員は裁判でも裏金の存在は認めたが、「会社が営業政策の一環として(裏金を)採用していたのは、会社側が長年問題視していなかったことからも明らかだ」と主張した。加えて「これまでの滅私奉公的な業務」で未払いの残業代が20年間で計約7000万円あるとし、会社の賠償請求は権利乱用だとして争う姿勢を見せた。


■裏金なければ、「売り上げ2億円減っていた」?


「大手と競争する顧客獲得合戦の現場を知らずに『接待費が不要』とは机上の空論。年間6億~7億円という営業トップの売り上げは、裏金がなかったら約2億円は減っていた」。男性社員は繰り返し「必要悪」だと訴えた。


しかし、地裁は判決で男性社員の主張をすべて退けた。「裏金作りは男性社員が会社の了承を得ずに行っていた背信的な活動で、不法行為に当たる」とし、男性社員と仲間の会社に対し、請求全額の約4300万円を連帯して支払うよう命令。「もし一部が営業のために使用されていたとしても、営業活動は会社の定めたルールの下ですべきことだ」と切って捨てた。


裏金作りは、社長が決裁した払戻金伝票を経理部門に持ち込むという正規の手続きを踏んで行われていた。他の営業社員の払戻金は多くても20万円程度だったが、男性社員の伝票は1回で240万円を超えることもあった。それを10年間も見過ごしてきた社長は「営業成績が非常に優秀だったから特におかしいとは思わなかった」と、確認せずにハンコを押し続けていたことを認めた。


会社の内部統制がずさんだったことは否定できないだろう。税務調査ではほかにも、関西のある支店が組織ぐるみで総額1600万円余り裏金を作っていたことが発覚していた。


男性社員は地裁の判決を不服として控訴中。別の訴訟で懲戒解雇の取り消しも求めている。しかし、長年の不採算経営がたたり、会社はすでに解散に追い込まれている。仮に裁判で主張が認められても、戻るべき会社はもう存在しない。


(社会部 山田薫)


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