【ベルリン=赤川省吾】欧州中央銀行(ECB)は18日の理事会でギリシャの銀行に資金繰り支援を続けるか協議する。現在は650億ユーロ(約9兆円)の支援枠を設けている。この枠組みの継続や金額の上積みが焦点となる。ギリシャでは信用不安が深まり、銀行から預金が大量に流出している。ECBが支援を停止すれば、銀行の経営が行き詰まる恐れがある。
ECBは2月に入ってギリシャの銀行への直接支援を停止した。反緊縮の立場を鮮明にしたチプラス政権への「警告」だった。その一方で、ギリシャ中銀が「緊急流動性支援(ELA)」という枠組みを通じて資金繰り支援することは容認。ギリシャの銀行にとっての唯一の資金源は残した。
今回の理事会ではこのELAの延長・拡大が議題となるようだ。
ただ政府が銀行経営に強い影響力を持つギリシャでは、銀行が中銀から得た資金を使って短期国債を買っているとみられる。このため中銀の資金が政府に還流する状態になっていると北部欧州は反発を強めている。ドイツ連邦銀行は16日に公表した2月月報で「ELAは暫定的な措置にすぎない」とクギを刺した。