ガソリン価格が約7カ月ぶりに上昇した。資源エネルギー庁が18日発表した16日時点のレギュラーガソリン店頭価格(全国平均)は前週比1.9円高の1リットル135.4円だった。原油安を受けて2014年7月から下落が続いていたが、今年2月に入り原油は上昇に転じた。元売りは卸価格を引き上げており、今後も店頭価格は上昇するという見方が多い。
原油価格は米国のシェールオイルの減産観測を背景に下げが一服、上昇に転じている。アジアで指標となるドバイ原油のスポット価格は1バレル59ドルと、この1カ月で3割程度上がった。
元売りの多くは1月末からガソリン卸価格の引き上げに転じた。石油連盟の木村康会長(JX日鉱日石エネルギー会長)は18日の会見で「原油価格は底を打った感がある。原油コストの変化には元売りや流通も連動せざるを得ない」と説明した。
卸価格引き上げを受け、41都道府県で値上がりした。上げ幅が最も大きかったのは長野県で1リットルあたり4.1円。青森県が4円、福島県が3.8円で続く。販売激戦区の一部でも値上げの動きが広がっている。首都圏の激戦区である千葉市の国道16号沿いでは安値圏は1リットル122円程度と1月に比べ約4円高い。都内の環状8号沿いでも、安値圏は120円台後半に上がった。
ガソリン出荷は増えている。石油連盟によると、2月8~14日の出荷量は3週連続で前年を上回った。「原油の値上がりでガソリンの先高観が強まり、急いで仕入れる業者が増えた」(燃料商社)という。店頭でも「値上がり前に給油しようとしたのか、前週はお客さんが増えた」(都内のスタンド)との指摘もある。
元売りは今週も卸価格を引き上げており、特約店に1リットル2~3円程度上げると通知した。調査を担当する石油情報センターは「来週も店頭価格は上昇する」とみている。
灯油も約7カ月ぶりに値上がりした。店頭価格は前週比0.9円高の1リットル82.1円だった。
寒冷地で指標となる生活協同組合の配達価格は据え置かれているところが多い。それでも「このままのペースで原油が上がっていくと厳しい。値上げも検討する」(コープさっぽろ子会社のエネコープ)との声も上がる。