【パリ=竹内康雄】フランスのオランド大統領とドイツのメルケル首相は20日、パリで会談した。ウクライナ軍と親ロ派武装勢力の散発的な戦闘が続くウクライナ東部の情勢について、対ロ追加制裁を視野に入れながら、ロシアに停戦合意を厳格に守るよう求めることで一致した。
仏大統領府で会談した後、共同で記者会見するオランド仏大統領(右)とメルケル独首相=ロイター
会談後の共同記者会見で、オランド氏は「停戦合意は完全に守られなければならない」と主張した。ロシアに対する追加制裁についてメルケル氏は「選択肢の一つとして残っている」との立場を示した。
両首脳はウクライナのポロシェンコ大統領が求める国連と欧州連合(EU)の平和維持部隊の派遣についても協議したもようだ。ただ米国が検討しているウクライナへの武器供与については、仏独は慎重な立場で、外交努力を通じた和平実現を確認したとみられる。
一方、ファビウス仏外相は20日、独仏ロとウクライナの4カ国の外相が24日にパリで会談し、停戦合意の履行を話し合うことを明らかにした。
ウクライナでは、4カ国の首脳がまとめた停戦合意に基づき、ウクライナ軍と東部の親ロシア派武装組織の停戦が15日に発効した。しかし、ロシア軍の支援を受ける親ロ派は要衝デバリツェボへの攻撃を続け、ウクライナ軍は撤退を余儀なくされた。