安倍晋三首相は20日、来日中のカタールのタミム首長と首相官邸で会談した。カタールから日本への石油や液化天然ガス(LNG)の安定供給を柱としたエネルギー分野における協力など、経済分野で緊密な交流を進める方針で一致した。「イスラム国」など中東での過激派勢力の台頭を念頭に、テロ対策での連携強化も確認した。
安倍首相とタミム首長は会談後、エネルギーの安定的供給や経済関係の促進、テロリズムを強い姿勢で非難するなどを盛り込んだ共同声明を発表した。外交官など外交公用旅券所持者の査証を相互免除するのも決定。経済関係をより一層緊密にするため2国間の租税協定に署名した。
署名式では首都ドーハでの地下鉄建設工事をめぐり、三菱重工業、三菱商事、日立製作所、近畿車両などとカタールの国営鉄道会社の契約内示を確認した。ドーハでは多くのインフラ開発計画があり、安倍首相は会談で「民間ビジネスを含め幅広い分野でさらに協力を強化していきたい」と強調した。タミム首長は「日本は第1位のビジネスパートナーだ」と応じた。