麻生太郎副総理・財務相・金融相は27日の閣議後の記者会見で「財務省から金利が上がったらどうするとオオカミ少年みたいな話を聞いてきた」と述べた。同省が長期金利が急騰するリスクを強調してきたが実際はそうならず、低水準で推移している。財政運営や金融機関の監督を担う麻生氏が金利上昇のリスクを過小評価しているととられかねない発言ともいえる。
麻生氏は「(財務省が金利が上がると)言うたびに下がった」としたうえで、足元で0.3%台の長期金利がここまで低下すると事前に「想像した人は世界中一人もいない」と述べた。金利が上がるリスクも「常に考えておかないといけない」とも指摘したが、金利上昇の影響を受けやすい地方銀行などに対して「金融庁で対応をどうするかを決めているわけではない」とした。
金融庁は地銀経営へのリスク調査で国債利回りが1%上がると、株価が40%下落したり貸出債権が1%毀損したりする場合よりも経営に与える影響が大きいとしている。