27日午前の東京外国為替市場で円相場は反落した。12時時点は1ドル=119円23~25銭近辺と前日17時時点に比べ42銭の円安・ドル高水準で推移している。米連邦準備理事会(FRB)が利上げを先送りするとの観測が後退して円安・ドル高が進んだ前日のニューヨーク市場の流れを引き継ぎ、朝方に売られた。オセアニア市場の取引時間帯にあたる7時ごろに119円42銭近辺を付けた。
朝方の円売り一巡後は新規の材料が乏しく、円は下げ渋った。中値決算にかけては国内輸入企業が円を売ってドル資金を手当てする動きが観測される一方、月末の決済にからむ国内輸出企業による円買い・ドル売りもあったもようで、結果的に円相場への影響は限られた。朝方に発表のあった1月の全国消費者物価指数(CPI)や鉱工業生産指数速報などの経済指標も材料視されなかった。
9~12時の円の安値は119円41銭近辺、高値は119円18銭近辺で、値幅は23銭程度だった。
円は対ユーロで大幅に続伸した。12時時点は1ユーロ=133円61~65銭近辺と同1円25銭の円高・ユーロ安水準で推移している。前日に欧州主要国の国債利回りが低下(価格は上昇)したことを受け、円買い・ユーロ売りが強まった。欧州中央銀行(ECB)は1月に決めた量的緩和策に基づき、3月からユーロ建て資産を月600億ユーロ(約8兆円)買い入れる予定。緩和策の開始を目前に控え、ユーロ売りが強まったとの指摘も出ている。
ユーロは対ドルで大幅に続落した。12時時点は1ユーロ=1.1205~08ドル近辺と同0.0146ドルのユーロ安・ドル高水準で推移している。〔日経QUICKニュース(NQN)〕