【フランクフルト=加藤貴行】化学世界最大手の独BASFが27日に発表した2014年12月期決算は、純利益が前の期比8%増の51億5500万ユーロ(約6900億円)だった。基礎化学品の販売量が増え、自動車向けの機能性材料も好調。原油価格の下落による石油ガス部門の低迷を補った。売上高は1%増の743億2600万ユーロだった。
15年12月期は売上高が前期から若干増え、営業利益は横ばいを見込む。機能性材料が伸びる半面、基礎化学品は投資負担が重く、石油ガス部門は減益が続く見通し。クルト・ボック社長は同日の会見で「原油や原材料の価格、為替が変動しやすく、新興市場の成長もより緩やかになる」と指摘。今年の世界の化学品の生産量は4%増になると予測した。