2011年3月11日の東日本大震災からまもなく4年となる中で、第2管区海上保安本部(宮城県塩釜市)は、毎月11日を中心に沿岸部で実施している行方不明者の集中捜索を今後も続ける方針だ。今も行方不明者の家族からの要望が多いという。海中で捜索する潜水士らは「一人でも多く見つけたい」との思いを強くしている。
警察庁によると、震災の行方不明者は宮城、岩手、福島の3県で計2500人を超える。
2管の仙台航空基地(宮城県岩沼市)に所属する機動救難士の今野昌人さん(35)と山本亮輔さん(26)は、宮城海上保安部の巡視船「くりこま」の潜水士だった震災当時から、ずっと不明者の捜索に当たってきた。
今野さんは「家族を捜している方の気持ちを考えると胸が締め付けられる。何か一つでも手がかりを持ち帰れれば」と話す。山本さんも「一人でも多く見つけたいという気持ちは震災直後から変わらない」と力を込めた。
2管によると、これまでに青森、岩手、宮城、福島各県の沿岸で計1249回の潜水捜索などを実施。403人の遺体を海中から引き揚げた。
ただ、引き揚げた人数は11年に389人、12年に10人、13年に3人と減った。その後は、14年2月に宮城県気仙沼市沖で漁船の底引き網に入った骨をDNA鑑定した結果、岩手県陸前高田市の70代男性と確認されただけで、捜索は難しさを増している。
2管は震災から4年となる3月11日、岩手、宮城、福島各県の沿岸部で、潜水士約10人を含む計約130人態勢で集中捜索に当たる。
集中捜索では、津波で流され海中に沈んだ車の中などを捜すほか、波打ち際の砂をさらったり、消波ブロックの隙間をのぞいたりするという。〔共同〕