【ワシントン=共同】米国務省は3日、日本でマタニティーハラスメント(マタハラ)の被害者支援に取り組む「マタハラNet」の小酒部さやか代表(37)ら、各国の10人に2015年の「世界の勇気ある女性」賞を授賞すると発表した。
5日にミシェル・オバマ大統領夫人も出席して国務省で授賞式が開催される。
マタハラは、妊娠や出産を理由に職場で不利益な待遇を受けることを指す。国務省は小酒部さんが声を上げたことで、マタハラに対する国民的議論が日本で巻き起こったと指摘。「妊娠による同意のない降格は違法」とした昨年10月の最高裁判断や、政府の指導強化につながったと評価した。
小酒部さんは契約社員として働いていたときに妊娠、上司から事実上の退職勧告を受け、その後流産した経験があり、昨年7月にマタハラNetを結成した。
同賞は人道危機への取り組みや女性の地位向上に貢献した女性をたたえるため2007年に創設された。今年は小酒部さんのほか、エボラ出血熱に自ら感染しながら患者の治療を続けたギニアの看護師や、シリアのアサド政権下で人権保護に取り組んだ活動家らの受賞が決まった。