大阪府警西成署員から職務質問を受けた際にかみついたなどとして、公務執行妨害や大麻取締法違反(所持)などの罪に問われたイラン国籍の貿易業の男性被告(44)に、大阪地裁(長井秀典裁判長)は6日までに、「警官が承諾なく違法な所持品検査をした」などとして無罪(求刑懲役1年6月)を言い渡した。
男性は昨年6月、大阪市の路上で署員にかみつくなどして負傷させたほか、駐車中の車内や自宅で大麻や覚醒剤を所持したとして起訴された。
判決は「男性は車内に置いたかばんの中の検査までは承諾していなかった。男性の腕をつかんだり、道路上に押さえつけたりした署員の行為は違法で、男性の抵抗は正当防衛に当たる」と指摘。押収された大麻などについては「違法行為に基づく押収物に証拠能力がない」と判断した。