■東京大学 米ウィスコンシン大学や米ミネソタ大学、理化学研究所と共同で、植物から抗菌物質を発見した。農作物に感染する病原菌の生育を抑える。従来の硫酸銅を含む農薬に比べ、抗菌作用が10倍強いという。植物の物質を使った農薬として、3~5年後の実用化を目指す。米国科学アカデミー紀要(電子版)に10日、発表する。
稲わらや樹皮、木片を分解して、9種類の天然物質を調べた。最も抗菌作用のある物質「ポアシン酸」は、酵母の細胞壁にくっついて体が維持できないようにしていた。
酵母のほかにジャガイモやトマトに感染する糸状菌や、ダイズに被害をもたらす卵菌でも感染を抑える効果がわかった。
現在、ウィスコンシン大学の農場で試験しており、まずは米国での実用化を計画している。
原料が植物からできているので、環境汚染のリスクは低いとみている。