愛知県で今月実施された脳死に伴う腎臓移植の際に患者の選定ミスがあった問題で、厚生労働省は10日、臓器移植法に基づき、日本臓器移植ネットワーク(東京・港)へ立ち入り検査を実施した。同法に基づく移植ネットへの立ち入り検査は初めて。
愛知県内の病院で実施された腎臓移植に際し、移植ネットの職員がコンピューターの操作を誤り、優先順位の低かった登録患者を選んだ。昨年11月に実施された脳死移植でも腎臓移植の患者選定でミスがあった。
事態を重くみた厚労省は同ネットの臓器あっせん業務の手続きや患者選定のシステム、再発防止策などを検査する。
塩崎恭久厚労相は同日午前の閣議後の記者会見で「短期間で2度起きることは憂慮すべきこと。(検査の)結果を踏まえて必要な措置を検討したい」と述べた。