【ニューヨーク=蔭山道子】米不動産投資信託(REIT)大手のサイモン・プロパティ・グループは9日、同業のメイスリッチに対して負債を含め総額224億ドル(約2兆7千億円)に上る買収を提案したと発表した。
サイモンは大型ショッピングモールを運営する上場REITとして時価総額で米最大。昨年末時点の時価総額は572億ドルで、欧米とアジアで228の物件を保有・出資する。買収で収益基盤の拡大をめざす。
メイスリッチの時価総額は昨年末時点で132億ドル弱と同3位の規模。米西海岸を中心に51の大型ショッピングモールを持つ。同社は9日の声明で、買収提案を受けたことを正式に認めたうえで「(内容を)検討する」とするにとどめた。
ショッピングモールに投資するREITの運用成績は、米株高や低金利を支えに足元で好調だ。ただ、ネット通販の拡大を背景に店舗需要は伸びが鈍い。有名デパートなどが入居する大型ショッピングモールは空室率が2000年代前半と比べて高水準で推移している。