日銀は10日、東日本大震災から4年を機に金融市場の災害対応を点検したリポートを公表した。金融機関が資金繰り目的などで行う市場取引は、災害時にも業務継続の優先度が高いとされる。リポートでは「東日本大震災後、首都圏での業務継続が困難となる可能性が意識され、関西などを拠点にバックアップ体制を整備する動きが加速している」と評価した。
短期金融や外国為替、証券の各市場では災害時の情報連絡手段として専用のウェブサイトを設けている。東日本大震災時にウェブサイトを通じて市場参加者が連絡を取り合い、市場取引に問題もなく「有効性が確認できた」という。
首都直下型地震などに備え、短期金融市場では大阪での資金調達や運用が活発になっているという。「災害が複合的に発生する状況や影響が長期化する場合などを想定し、対応を進めることが有益だ」と指摘した。