【フランクフルト=加藤貴行】独仏イタリアなど欧州大陸の主要紙を発行するメディア大手7社は10日、記事の共有化などで提携すると発表した。インタビューや特集記事を相互に載せるほか、人材交流、デジタル分野でも協力する。ニュース配信では米グーグルやニュース閲覧アプリが存在感を増しており、各社が団結して欧州大陸発のニュースの質と発信力を高める狙い。
提携する新聞は、ドイツ「ウェルト」、フランス「フィガロ」、イタリア「レプブリカ」、スペイン「パイス」のほか、ベルギーの1紙、スイスの2紙。共通で「リーディング・ヨーロピアン・ニュースペーパー・アライアンス(LENA)」という名称を用いる。
各紙が選んだ記事を共有し、自由に引用できるようにし、デジタル分野の新事業も共同で展開する予定。また各社間で記者や編集以外の部門の社員の交流も始め、社外での経験を積ませる。
独仏伊西の4紙はそれぞれ発行部数が20万~30万部に達するが、部数の減少に直面している。昨年までパイスの編集長を務めLENAのトップに就いたハビエル・モレノ氏は声明で「我々の新聞はこの提携を通じ、欧州大陸の読者の利益のため、真の変革を遂げていく」と述べた。