第一三共は19日、英アストラゼネカが開発した便秘治療薬「モバンティック」を、米国で4月から共同販売すると発表した。契約一時金として2億ドル(約240億円)をアストラゼネカに支払う。第一三共は主力薬の特許が2016年に切れるため、収益の落ち込みを軽減しようと新薬導入に力を入れている。
モバンティックは麻薬性鎮痛剤を投与した際に生じやすい便秘を治療する薬だ。1日1回飲む錠剤で、開発したアストラゼネカは昨年9月に米食品医薬品局(FDA)から承認を取得していた。
モバンティックの販売は第一三共とアストラゼネカが共同で行う。第一三共は契約時の一時金とは別に、製品売上高に応じて最大で6億2500万ドル(約750億円)の追加報酬を支払う可能性がある。
第一三共の主力高血圧症薬「オルメサルタン」は、最大市場の米国で16年10月に特許切れを迎える。収益減を補うため昨年夏以降に、抗がん剤に強みを持つ米バイオベンチャーを買収したほか、麻薬性鎮痛剤の導入を決めている。