【NQNニューヨーク=古江敦子】23日のニューヨーク外国為替市場で円相場は続伸し、前週末比30銭円高・ドル安の1ドル=119円70~80銭で取引を終えた。スタンレー・フィッシャー米連邦準備理事会(FRB)副議長の講演などを受けて米国で緩和的な金融政策が長引くとの見方が続き、円売り・ドル買いに傾けていた持ち高を解消する円買いが優勢となった。
フィッシャー副議長は政策金利の引き上げ時期について年内との見方を維持した一方で、「一本調子な利上げのペースは実現しないだろう」などと述べた。金融政策の正常化には想定よりも時間がかかりそうだとの観測が浮上し、円買い・ドル売りを促した。
2月の米中古住宅販売件数の伸びが市場予想をやや下回ったのも、円相場の支えになった。
円の高値は119円58銭、安値は119円91銭だった。
円は対ユーロで続落し、前週末比1円10銭円安・ユーロ高の1ユーロ=131円00~10銭で取引を終えた。ユーロがドルに対して大幅に上昇し、円に対してもユーロ買いが及んだ。
ユーロは対ドルで大幅に続伸し、前週末比0.0120ドル高い1ユーロ=1.0940~50ドルで終えた。米国で緩和的な金融政策が長引くとの見方が続き、ユーロに対するドルの買い持ち高を解消するユーロ買い・ドル売りが続いた。
ユーロ圏の3月の消費者信頼感指数が市場予想を上回って前月から持ち直した。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が欧州議会で証言し、欧州経済の先行きに明るい見通しを示したこともユーロ買いを促した。
ユーロの高値は1.0972ドル、安値は1.0875ドルだった。