【NQNニューヨーク=岩切清司】25日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落した。前日比292ドル60セント(1.6%)安の1万7718ドル54セントとこの日の安値で取引を終えた。3日間の下げ幅の合計は409ドルに達した。想定外の経済指標の悪化を受け景気の先行き不透明感が意識された。先週まで上昇基調を強めていたバイオ製薬株に利益を確定する売りが続き投資家心理を冷やした。
朝方発表の2月の米耐久財受注は前月比0.2%程度の増加予想に対し、同1.4%減となった。結果を受けJPモルガン・チェースなど一部の金融機関が1~3月期の米国内総生産(GDP)の成長率見通しの引き下げに動くなど、米景気への警戒感を高めた。
米株式相場は直近の高値圏で推移していただけに、利益確定売りに拍車をかける格好となった。
ナスダック総合株価指数も3日続落した。同118.209ポイント(2.4%)安の4876.519となった。下げ幅は2014年4月以来、約11カ月ぶりの大きさ。先週まで指数の上昇をけん引してきたバイオ製薬株の一角に高値警戒感から利益を確定する売りが続いた。アップルなど時価総額の大きいハイテク株の下げも響いた。
業種別S&P500種株価指数は「エネルギー」を除く9業種が下落。「ヘルスケア」や「IT(情報技術)」などの下げが目立った。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約7億9000万株(速報値)、ナスダック市場は約21億3000万株(同)だった。
アップルが安い。超高速データ解析を手掛ける新興企業を買収したと伝わったが相場の地合い悪化に押された。教育のアポロ・エデュケーション・グループは四半期決算で赤字に転落したことを嫌気し売られた。マイクロソフトやインテル、ボーイングも売られた。
HJハインツとの合併を発表したクラフト・フーズが急伸した。外国為替証拠金(FX)大手FXCMが日本法人を楽天証券へ売却すると発表。スイスフランの急騰で業績が悪化していただけにリストラ進展を見込んだ買いが入った。原油先物相場の上昇を受けて石油のシェブロンやエクソンモービルもしっかり。