山梨県警が無断でキャラクターをマスコットに転用し、著作権を侵害されたとして、甲府市のデザイナーが使用中止と慰謝料などを県に求めた訴訟で、26日までに東京地裁(長谷川浩二裁判長)で和解が成立した。
県警のマスコットは、富士山をモチーフにした顔に警察官の制服姿をした「ふじ君」。双方の弁護人によると、原告のデザイナー、忠本勝彦さん(74)がキャラクターの原画制作に関わったと認める代わりに、慰謝料の支払いなどは求めないとの内容という。
訴状などによると、忠本さんは1986年に山梨県で開催された「かいじ国体」でデザインを担当し、複数の公募作品を参考にキャラクター「ふじくん」を完成させたと指摘。県警が警察官姿に改変して「ふじ君」を作り、使用しているのは著作権侵害だとしていた。
県警の志田浩監察課長は「双方の理解により、和解が成立した。これまで通り、ふじ君をマスコットとして使用していく」とコメントした。〔共同〕