【ニューヨーク=西邨紘子】イスラエルの後発薬大手テバ・ファーマシューティカル・インダストリーズと、アイルランドの特殊医薬品ホライゾン・ファーマは30日、それぞれ米医薬企業の買収を発表した。買収対象は共にカリフォルニア州が本拠のバイオ医薬企業で、先天性異常や希少病など特殊薬の研究開発に強みを持つ。製薬業界のM&A(合併・買収)がニッチ分野にも広がりを見せている。
テバは米オースペックス・ファーマシューティカルズを1株当たり現金101ドル、総額35億ドル(約4200億円)で買収する。2015年半ばに手続きを終える見通し。オースペックスは中枢神経に関連した病気で複数の治療薬を開発しており、一部は実用化が近いとされる。
ホライゾン・ファーマは米ハイペリオン・セラピューティクスを1株あたり46ドル、総額約11億ドル(約1320億円)で買収する。15年4~6月期中の手続き完了を見込む。ハイペリオンは、体内でアンモニアを尿素に解毒する酵素に遺伝的に欠損を抱える希少疾患の患者向けの医薬品2種を実用化している。