ソニーは1日、保有するオリンパス株の半分にあたる約1724万株をJPモルガン証券に売却すると発表した。同社は2013年2月にかけてオリンパスの第三者割当増資を引き受け医療事業で提携した。オリンパスの財務改善が進んだ一方、ソニーは成長資金が必要なため売却を決めた。提携関係は維持する。売却益は約468億円で16年3月期に計上する。
ソニーの保有比率は約10%から約5%に減り、筆頭株主から第2位の株主になる。6日までに売却し、JPモルガンは取得後、機関投資家などに売るもよう。
オリンパスは過去の損失隠しの影響で12年6月末に自己資本比率が2%台に低下。その後、ソニーの出資や公募増資などで昨年末は約39%に回復した。一方、ソニーは前期に3000億円超の構造改革費用を計上し、今後も強みの画像センサーなどで投資を加速するため「資金を確保する必要があった」(ソニー)。
ソニーの16年3月期は構造改革効果などで連結最終黒字(前期は1700億円の赤字)に転換する見通しだが、今回の売却益計上で利益額はさらに膨らむとみられる。
両社は13年に外科用内視鏡の共同出資会社を設立した。今期内に新製品を投入する計画で、今回の株売却後も提携関係は変わらないという。