中国では中秋節(旧暦8月15日、今年は10月1日)に月餅を食べる風習があるが、今年の月餅業界は「節約モード」となっているという。そして、ばら売りのミニ月餅のほか、月餅の手作り、消費者のニーズに応じた形でのオーダー月餅などが人気となっているという。解放日報が報じた。
60グラムがちょうど良い大きさ
コンビニチェーン「便利蜂」の統計によると、8月31日に各店舗で月餅の販売をスタートさせてから、見た目がオシャレなミニサイズのばら売り月餅が最も人気となっており、月餅購入者の56%が1度に月餅を1個だけ購入していた。また購入者のうち、女性が60%以上を占めていた。
「便利蜂」の責任者は取材に対して、「今年は小さめの月餅を店舗に並べている。1個80グラム以下の月餅の売上が全体の67%を占めている。最も小さいサイズの月餅は1個60グラムで、一般的な月餅の半分ほどの大きさだ。女性にとっては、ちょうど良い量で、食べて満足できるし、無駄を減らすこともできる。若い客を見ると、月餅はセレモニー感のある食品から、お菓子へと変化しており、ミニサイズ月餅のばら売りは、買ってすぐに食べるという消費習慣や若者の『一人分』というニーズにもマッチしている」と説明した。
必要な分だけ買う節約志向
多くのECプラットフォームでも月餅をばら売りしており、値段も安く、人気を博している。
ソーシャルECプラットフォームの拼多多を見ると、「盧師傅」の伝統的な月餅がばら売りされており、人目を引くパッケージではないものの、10万個以上売れている。店長おすすめのココナッツ味の月餅(5個入り)は10.5元(1元は約15.5円)、五仁月餅(五種類の種入り月餅、15個入り)は26.5元、いろんな味の月餅が入った30個セットは49.9元となっている。多くの人が食べた後に、画像をネット上にアップしており、あるネットユーザーは、「100元以下で、家族みんながいろんな味の月餅を食べることができて、お得だ」との声を寄せている。
生鮮食品EC「叮▲買菜(▲は口へんに冬)」のアプリプラットフォームの責任者は、「ばら売りの値段は昨年とほぼ同じで、今年は、『無駄を出すことなく、月餅を食べよう』がスローガン。シンプルなパッケージの月餅、ミニサイズで、いろんな味の月餅、低価格のブランドをマーケティングの中心としている」と説明する。
手作り月餅がトレンドに
新型コロナウイルスの影響で、「巣ごもり」している間に、多くの人がおいしい物を自分で作るという習慣を身に着けており、中秋節の月餅も手作りする人が増えている。
食料品デリバリープラットフォーム・京東到家を見ると、ここ1週間、小麦粉や卵、あんこ、ナツメあん、ナッツ類などの商品の販売量が大幅増となっている。それら食材のほとんどが月餅を作るために使われている。新型コロナウイルス流行期間中、◆さん(女性、◆は曜のつくり)は、お菓子作りに夢中になり、月餅を作るための金型セットも既に購入済みだ。何度か試しに作り、5種類の味の月餅を作ることに成功し、何度かに分けて同僚にも配った。そして、家族や友人の間では手作りお菓子ブームが起きているという。
ショッピング・交流プラットフォームの小紅書やショート動画共有アプリ・抖音(Tik Tok)などにも、「5分でできる月餅作り」や「月餅のレシピ公開」などのショート動画がたくさんアップされている。それら動画をアップしているネットユーザーの中には、レストランのシェフ、専業主婦もおり、自分の「伝家の宝刀」を惜しみなくシェアしている。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年9月30日