【ブリュッセル=森本学】ギリシャ政府は1日、金融支援の継続に必要な財政改革を巡って、新たな改革案を債権者の欧州連合(EU)などへ再提出した。EUなどがより具体的で実効力のある改革を求めているのに応じた格好だ。来週にも、EUや国際通貨基金(IMF)などと本格的な協議に入る見通しだ。
再提出した改革案は銀行の送金などへの監査を強めて課税逃れを防いだり、日本の消費税に相当する付加価値税の徴税を強めたりすることで、歳入を底上げするのが柱となる。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、歳入を約60億ユーロ(約7700億円)増やせると見込んでいる。
EUなどは改革案の実現性などを点検し、ギリシャ政府との金融支援の継続に向けた協議に入るかどうか検討する。ただギリシャ政府は再提出した案に年金支給額の引き上げなど、改革の後退と債権者側が受け取るような政策も盛り込んだ。EUなどが一段の改革を求めて調整が難航する展開もありそうだ。
ギリシャはIMFに約4億5000万ユーロを返済する期限を9日に迎えるなど、資金繰りが厳しさを増している。