【ワシントン=川合智之】オバマ米大統領は1日、サイバー攻撃に関与した海外の個人や団体を制裁できるようにする大統領令に署名した。司法当局の手が及びにくいロシアや中国、北朝鮮などのハッカーに対抗する。
ホワイトハウスが同日発表した。企業の機密情報や個人のクレジットカード番号などの盗難、重要インフラの運営妨害などを狙った攻撃が対象。米国内の資産凍結や商取引禁止、渡航禁止などの制裁を科す。
オバマ氏はサイバー攻撃について「米国の経済と国家安全保障に対する最も深刻な挑戦だ」と指摘。海外ハッカーによるサイバー攻撃が相次ぐ状況を「国家非常事態」と位置づけ、様々な手段で対抗する考えを表明した。
米政府は昨年11月に発覚したソニー・ピクチャーズエンタテインメント(SPE)へのサイバー攻撃に北朝鮮政府が関与したと断定、今年1月に北朝鮮の政府関係者らに制裁を発動した。今回の大統領令で、こうした制裁措置を機動的に発動できるようになる。