【イスタンブール=佐野彰洋】キプロスのアナスタシアディス大統領は3日、2013年に導入した一連の資本規制を6日にすべて解除することを表明した。ギリシャの金融システムから受ける影響は軽微になったとの考えも示した。
ギリシャ系住民が多数を占めるキプロスでは、銀行部門がロシアなど国外の富裕層から集めた預金をギリシャ国債で運用していた。しかし、民間保有債権の元本カットなどを柱とするギリシャの債務再編によって多額の損失を計上、資本不足に陥った。
13年3月、海外送金や外貨持ち出しに上限を設けるなどの資本規制を導入。欧州連合(EU)の支援を受けて危機を乗り越え、段階的に規制の解除を続けてきた。6日には最後まで残っていた企業の大口送金規制などを解除する。大統領は「キプロスの銀行システムは信頼を完全に回復した」と強調した。