100歳の現役スイマー、長岡三重子さん=山口県田布施町=が4日、松山市で開かれた日本マスターズ水泳短水路(25メートルプール)大会の女子1500メートル自由形に出場し、100~104歳の部で世界初の完泳を果たした。ゴールの後「やれやれです。寿命があれば105歳まで泳ぎたい」と笑顔を見せた。
日本マスターズ水泳の女子1500メートル自由形、100~104歳の部で世界初の完泳を果たし、笑顔を見せる長岡三重子さん(4日、松山市)=共同
記録は1時間15分54秒39。日本マスターズ水泳協会によると、今後、国際水泳連盟(FINA)に申請し、正式な世界記録と認定される。長岡さんの持つ世界記録は25種目となる。
マスターズ水泳は、年齢層ごとに順位を競い、健康増進や他の選手との交流も重視。国内では18歳以上が参加でき、距離や泳法で種目が分かれる。
100~104歳の部に出場したのは長岡さん1人で、40~70代の選手にまじって背泳ぎで挑戦。序盤はハイペースで飛ばし周囲を心配させたが、後半は安定。拍手と歓声の中、30往復を泳ぎ切った。
長岡さんは、第1次世界大戦が始まった1914年生まれ。36年のベルリン五輪200メートル平泳ぎで優勝した故前畑秀子選手と同い年に当たる。
水泳を始めたのは80歳の時。痛めた膝のリハビリが目的でほとんど泳げなかったが、「始めたことはとことんやる性分」。国内外のマスターズ大会に出場し、新たな目標を立てては次々に記録を更新してきた。昨年は長水路(50メートルプール)の1500メートル自由形を完泳した。
短水路はターンの回数が増えるため、より負担が大きい。長岡さんは過去に2度挑戦したが、いずれも途中棄権していた。快挙を見守った長男、宏行さん(74)は「この種目を目標に練習してきたので、3度目でゴールできてよかった」とほっとした表情で話した。〔共同〕